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離婚にまつわるコラム

結婚して7年が過ぎたある日、夫が急に「離婚したい」と言い出しました。

 

次の日、仕事から帰った夫に、思い切って「好きな人でもいるの?」と聞いてみましたが、「いない」と即答されました。もしかしたら夫は、本当は女がいたとしても、バカ正直に本当の事を言ったら私が「調停をする」とか、「慰謝料を払え」と言い出すと面倒なので嘘を言ったのかもしれませんが、今ではもう確かめようがありません。その日も夫と話し合いをしました。言われてショックだったのは、夫が私との離婚を突然思い立ったわけではないという事でした。一年以上前から、一人で悩み、考えていたというのです。私はそうとは知らず、普段通りの生活を送っていました。

 

私と夫の『普段通り』というのは、一般的な夫婦とは少し違っていました。友人の紹介で夫と知り合った時、三人とも20代後半で、「全員結婚適齢期だね」という話題になり、それぞれの結婚観について話をしました。その時、私と夫の結婚観が、偶然にもぴったり一致していたのです。二人に共通していたのは、たとえ夫婦でも、お互いの趣味には干渉せず、一人の時間を楽しむのが理想の夫婦だという点でした。そこで私は、知り合ったばかりの夫に、ある種運命のようなものを感じていました。夫も同じだったようで、それからすぐに付き合い始め、三ヵ月後には婚約をしていました。夫との結婚は、私の両親を安心させるためでもありました。田舎育ちの両親は『結婚は早いほうがいい』という考えが強く、私が20歳で一人暮らしを始めた頃から、「誰かいい人いないの?」と、実家に帰るたびに言ってきました。夫と知り合うまでに私が付き合ってきた人達は、フリーターだったり、一応株式会社だけど何だかよく分からない会社に勤めていたりして、とても両親に紹介できそうな人はいませんでした。夫は、一応有名な食品会社に勤めていました。ああ、やっと親に紹介できる人に出会った、と、自分でもホッとしたのを覚えています。でも、今となっては、親が喜びそうだとか、結婚観が合うとか、そういった『条件』で人を選んではいけなかったと思います。

 

夫と入籍して、新居のマンションに移ってからは、それぞれが自分の個室を持ち、夕食後の時間は、夫はパソコンでゲームをして、私は好きな本を読んだりして過ごしました。私の友人からは「まるで家庭内別居だ」と言われることもありましたが、夫の友人達からは、「自分の時間が持てていいね」などと羨ましがられました。お互いが夢見た理想の生活。私も夫も、収入は決して多いほうではありませんでしたが、子どもを作らなかったこともあって、貯蓄のことはあまり考えず、買いたい物には遠慮なくお金を使っていました。私にとっては、その先に破綻するなどと考えもしない、幸せいっぱいの生活でした。でも夫のほうは、年数が経つにつれ、その生活に段々飽きていたのだという事が、話し合いの中で分かりました。

 

もし、私達夫婦の間に子どもがいたら、養育費とか親権とか、決めなければならない事がたくさんあっただろうと思います。芸能人の夫婦が離婚する時などによく「親権は母親が」とか、テレビのワイドショーでやっています。でも今となっては、子どもがいなくて本当に良かったと思います。たとえどんな理由があったとしても、両親が離婚するなんて、子どもにとっては不幸でしかありません。

 

話し合う中で、私は毎回のように、夫に対して「決意は変わらないのか」と聞きましたが、そのたびに夫は「変わらない」とハッキリ答えました。三回目の話し合いの後には、私のほうも徐々に根負けしかけていたと言うか、何を言おうが、この人には『離婚』しかないんだなと思うようになっていました。夫はそれを察知したのかどうか分かりませんが、「会社の近くに部屋を借りたい」と言ってきました。暗に別居したいと言ってきたのです。ショックでしたが、私はその時、「そのほうが落ち着くならいいよ」と言いました。話し合いを重ねるごとに、夫が精神的に衰弱してきているのを感じていました。夫にしてみたら、本当なら私となんか同じ空間に居るのも嫌なはずなのに、毎晩のように膝をつき合わせて話し合いをしなければならない事に、心の底から疲れていたのだと思います。

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